大分県の名所・旧跡・史跡のブログ

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五十鈴神社の庚申塔(安岐町)

下原地区、五十鈴神社境内にある庚申塔を紹介します。

 

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庚申塔

所在地:安岐町下原 五十鈴神社(境内左奥)

 

 

 安岐市街地から武蔵方面へ、県道201号(旧国道213号)を進みます。安岐川を渡り(橋が2つ連続するところ)、上り坂になり、右側にエネオスのガソリンスタンドがあるところ(※)を鋭角的に左折、すぐに右折し細い道を下ります。下りきると右側に五十鈴神社の鳥居があります。適当な駐車場がありませんので、鳥居付近の邪魔にならないところにとめます。

 または、※印を通り過ぎまして「安岐小学校入口」信号の横断歩道すぐ先を左折しても鳥居前に出ますが、この道は軽自動車でもギリギリです。危ないので、最初にあげたルートの方がよいでしょう。

 境内左奥に、写真の庚申塔が2基立っています。まず、左の庚申塔を見てみましょう。

 

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庚申塔

一面六臂、二童子、三猿、一鶏、ショケラ

 

 写真をうまく撮れなかったのでわかりにくいかと思いますが、彩色がうっすらと残っています。脚が長くスラリとした青面金剛が蓮の花のようなものの上に立っており、ショケラをぶらさげています。その下に鶏。左右に2匹の猿… この塔はショケラに目を奪われがちなのですが、猿の配置の面白さにも注目してください。

 

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庚申塔

 なんと猿が1匹、笠の破風のところに隠れているではありませんか。鶏の左右の2匹と合わせて3匹。遊び心にあふれた塔で、とてもおもしろいと思います。

 以上、左の塔を紹介しました。保存状態もまずまず良好ですし、なかなかの秀作かと思います。対して、右の塔は残念ながら痛みが進んでいます。

 

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庚申塔

一面四臂、二童子、三猿、(二鶏?)

 

 上部中央のでっぱりから推測して、おそらく元々は笠が乗っていたものかと思います。傷みがひどく、二童子が消えかかっています。金剛さんの脚元にぎゅっと身を寄せ合った3猿の下に、鶏が刻まれていたのではないかと思うのですが、定かではありません。

 材質の違いや造立年の違い等によるのかもしれませんが、同じ場所に2つ並んだ等の保存状態がこうも違うのはどうしてでしょうか。もしかしたら、どちらか片方、または両方とも、この場所にもともとあったのではなく、どこかから移設したものなのかもしれません。

 ともあれ、周りの草はきれいに刈られ、地域の方に大切にされているようです。五十鈴神社にお参りする機会があれば、ぜひ庚申塔にも注目してみてください。