大分県の名所・旧跡・史跡のブログ

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合川の名所めぐり その1(清川村)

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 このシリーズでは合川地区の名所旧跡を紹介していきます。合川地区は大字六種(むくさ)・宇田枝(うたえだ)・左右知(そうち)・平石からなります。その大部分が清川村のうちですが、大字平石の一部は緒方町編入されています。それで、このシリーズのうち当該箇所を含む記事では清川村緒方町に跨る内容になります。また、旧南緒方村の区域のうち大字大化・馬背畑の一部が旧合川村に編入された経緯がありますが、この区域については「南緒方の名所シリーズ」として紹介していくつもりなので、合川シリーズには大化・馬背畑は含みません。

 初回は大字左右知のうち間ノ内(まのうち)の一字一石塔と一位樫を紹介します。

 

1 間ノ内の一字一石塔

 三重から国道502号を西進、道の駅清川を左に見てすぐ、「砂田交差点」の信号を左折し県道45号を南下します。しばらく道なりに行くと、道路の左側に「轟橋・出會橋↑」「宝生寺・イチイガシ←」の名所標識が、右側には「←御嶽山、三玉→」の旨の青標識があります。ここが要注意で、「イチイガシ←」につられて道なりに左に進みますと目的地に行くには少し先で県道688号に右折することになるのですが、この県道688号は離合困難な川べりの崖道が延々と続きます(※)。景色はよいのですが、運転に往生します。ですからあえて直進(右折)し、「轟橋・出會橋」の方に進む方がよいでしょう。しばらくは1.5車線程度の田舎道ですが、「止まれ」の交叉点を過ぎると快適な2車線の道路です。

 しばらく進み、橋を渡ると先ほど避けた県道688号に合流します。※印の難所を通り抜けたところに出るので、そのまま道なりに右折してください。ここからは道幅も広く安心です。しばらく進むと、先ほど橋を渡ってから最初の人家が見えます。左右知地区に着きました。左手、1軒目のお宅の手前に「イチイガシ」と書いた看板がありますので、それに従い折り返すように左折し林道に入ります。ここからは、舗装はされていますが道幅が狭いので注意してください。ほどなく害獣除けの金網がありますが、開けて通ることができます(元通りに閉めておいてください)。くねくねと登っていくと、道路左側に「イチイガシ→」の看板がありますが、右の道は車が入れないので、そのまま通り過ぎます。少し行くと左側に狭い駐車スぺースがあるので、車を置きます。この駐車スペースの隅に、一字一石塔があります。

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大乗妙乗一字一石塔

 人里離れたこんな場所にどうして一字一石塔が立っているのでしょうか。周囲に五輪塔などの石造物は一切見当たらず、とても不思議に感じました。

 

2 間ノ内の一位樫

 一字一石塔から元来た道を歩いて後戻り、看板に従って左折して脇道を下ります。下りきったらまた登り、10分も歩けば目的の一位樫に着きます。

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 確かに立派な木ですが、正面から一見しただけでは、こんなものか、と思うかもしれません。でもがっかりせずに、説明版を読んだら横から裏に回り込んでみてください。

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 なんと、大きなウロになっているところに祠があるではありませんか。なんとも神秘的な雰囲気です。お参りをしましょう。こんな状態でも、なおも命をつないでいる古木。コブだらけの幹は、不細工かもしれませんけどそのコブの一つひとつに、歴史が刻まれているのです。

 ところで、一位樫は、大分ではよく「イッチカッチ」と呼びまして、子供達がその実を拾い集めて持ち帰り、煎ってもらっておやつにしていました。「イッチカッチの実」と「椎の実」だけは、アク抜きをしなくても煎るだけで食べられます。私も子供の頃に拾いましたが、味はそうおいしいものでもありません。椎の実の方がおいしいかと思います。でも、イッチカッチやツバナ、槙のチンチン、あけび、山ぶどうなど、そうおいしいものでもなかったと思うのですが子供は喜んでとりましたし、懐かしい思い出のある方も多いのではないでしょうか。

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 有名な観光地ではありませんし道もよくないのですが、ぜひみなさんにお勧めしたい場所です。近隣には御嶽山、出會橋・轟橋その他、名所旧跡・景勝地がたくさんありますので、そのついでにでも訪れてみてください。