大分県の名所・旧跡・史跡のブログ

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城平の庚申塔(国東町)

 

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庚申塔

 

 国東市街地より、県道29号を行入方面に進みます。東光寺を右に見て、新道の切通しを越えますと、左側から、豊崎郵便局の前を通る旧道が合流します。その合流地点の僅かに手前、右手山際にお墓があります。そのお墓の横から急坂の獣道を少し上がると、写真の庚申塔があります。
 この塔の所在地はぎりぎりで大字横手のうちですが、近隣部落との位置関係を鑑みるに、大字岩屋の側の庚申塔であると推量いたしました。それで、項目名としては岩屋側の地名をとって「城平の庚申塔」としています。

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庚申塔

青面金剛6臂、2童子、3猿、2鶏、邪鬼、4夜叉、ショケラ

 向かって右上が欠けているのが惜しまれますが、これは驚異的な保存状態ではありませんか。邪鬼や夜叉も揃い、オールスターの庚申塔です。このように四夜叉が刻まれているものとしては槇の大堂の石仏公園に保存されているものが著名ですが、他にも半島内に数基、残っています。ここに紹介した塔は、上小原の金毘羅様のところの塔に表現が酷似しているところがあり、同じ石工さんによるものかもしれません。

 厳しい表情の青面金剛は頭巾のようなものを被り、マントのような衣裳を見にまとっています。そしてショケラをぶらさげています!童子はかわいらしい表情で、金剛さんの方をむいて付き添っています。ギョロリとした夜叉の眼つきは、いかつい感じもしますが、愛らしさも感じます。彩色がよく残っているのも嬉しい。諸々の像が盤面いっぱいに配置されているのに窮屈な感じがしません。 猿や鶏のデザインをよく工夫して上手に納めてあることで、全体的にスッキリとした印象です。