大分県の名所・旧跡・史跡のブログ

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竜ヶ尾の庚申塔(山香町)

竜ヶ尾地区、墓地の側にある庚申塔を紹介します。

 

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庚申塔

所在地:山香町立石 竜ヶ尾

 

地名について…山香病院のあたりを竜頭(りゅうず)といいます。この「竜頭」と「竜ヶ尾」はだいぶん離れていますが、これは山香の盆地の形を竜に見立てて、その頭と尾にあたる位置なのでそれぞれ竜頭、竜ヶ尾と呼ぶ云々という話をお年寄りから聞いたことがあります。

 

 

 日出方面から国道10号を進み、竜ヶ尾交叉点を右折(宇佐方面からだと左折)します。右に田んぼを見ながら凡そ200mほど登ると、道路がゆるく左カーブし、十字路になっています。右は下りのアスファルト舗装、左は登りの簡易舗装、左奥には竜ヶ尾公民館(道路ぎわに建っています)。庚申塔に行くには、左の簡易舗装の道に入ります。すぐに直進(右奥)と左の二股になっていますが、ここは直進します。ここからは軽自動車でないと厳しいでしょう。

 狭い道を進むと、右側に墓地があらわれ、左側が開けます。そこから少し進み、やや右カーブしたら左側に写真の庚申塔が立っています。

 

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庚申塔

一面六臂、ショケラ、二童子、邪鬼、三猿、二鶏

 

 なんと立派な塔!実測はしておりませんが、全高2mは下らないと思います。全体的に彫りが深くて立体的です。それでいて鶏の尾や童子の衣紋、青面金剛の髪の毛などの細かい表現のなんと緻密なこと。また、ほっそりとした盤面のいっぱいいっぱいに諸像を配置したデザインの見事さは、槇の大堂の公園にある著名な庚申塔にもひけをとりません。わざと対称性を崩して配置した鶏や猿、童子、それぞれに動きがつけられ、生き生きとした表現です。そして金剛さんの強そうなこと!強そうだけど首が左に寄りすぎているような気がするところもまた、微笑ましいではありませんか。よく見るとショケラをぶらさげています!

 

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説明版

 この塔は、杵築市指定の文化財です。これだけ立派な塔で、説明版もきちんと設置してあるのに(ショケラと邪鬼について記述がないのは残念ですが)、大きい道路からの入り口に一切の案内板・標識の類がないのはどうしたことでしょう。これでは、興味関心のある人がいても、道がわからないどころかこの塔の存在すら知られないまま終わるのではないでしょうか。改善が望まれます。